[13] こんな日も悪くない2

日付
「あ、えーっと、今日はリョウさんとももちゃんと来てて今からカフェでお茶してから帰る予定だったんです。」「あー、…そうなんですね。」少しだけ残念そうな顔をして拓也さんは少し気まずそうにしている。「えっと、拓也さんさえ良かったらカフェ一緒...

[13] こんな日も悪くない

日付
結局、本屋に着くまで3人でたわいもないことをお喋りしながら歩いてきた。それはそれで楽しかったので、まぁいいかと思えた。 着くと、新しくできた大きな本屋さんということもあり見応えのありそうな広さだった。施設中にはカフェやレストランも入っ...

[12] 気になる男とのデートは秘密にしなさい2

日付
希美子さんは部屋に帰ってしまい私もそろそろ一旦部屋に帰ろうか迷っていると、ももちゃんがやって来た。「あ〜七瀬ちゃんだ、ねぇ今日何か予定あるの?」「えぇっと…うん。今日は少し用事があるけど、どうしたの?」希美子さんが言ってたことを思い出...

[12] 気になる男とのデートは秘密にしなさい

日付
あの後、拓也さんに聞いてみたけど「僕はそんな事聞いてないです。」と言われて困ってしまったけど何とか誤魔化しておいた。悪気はないかもしれないけどモヤモヤしてしまっている自分がいた。   それでも良い事も起きるのが人生だ。実はリョウさんの...

[11] ひとりぼっちと孤独の違い

日付
目が覚めるとすっかり昼間になってしまっていた。昨日は原稿で疲れてしまってぐっすり眠り込んでいたようだった。学生みたいに昼過ぎまで眠ってしまったけど週末だし休みだし、たまにはいいかなぁと思う。 溜まっていた洗濯物を干して掃除機をかけて一...

[10] 鳴らない電話とひとりの夜

日付
2週間くらいが過ぎてようやく新しい部屋にもだいぶ慣れてきた。今日は締め切りが近い原稿に集中することにした。本当は渚さんのカフェMaugham(モーム)でお昼食べながらやりたいけど、集中し過ぎると時間を忘れてしまうし長居は迷惑になってし...

[9]運命のいたずら

日付
昨日は渚さんと、希美子さんと、拓也さんとリョウさんに会う事が出来て本当に良かった。少し前まで、失恋と同時に住む場所も失ってしまい精神的にかなり苦しかった。元彼には「もし君が大丈夫なら、そのままここに住んでも良いんだよ。」と言われていた...

[8]出会いは突然やってくる

日付
あれから暫く話した後、拓也さんは会社のシステムにエラーが現れたからと呼び出されたらしく、私の分も会計してくれた後に「ごゆっくり。」とひと言残して行ってしまった。 なんとなくそのまま帰る気にもなれなくて紅茶を注文して渚さんとお喋りをして...

[7]腹が減っては恋はできぬ

日付
渚さんという優しいおじさまがオーナーをしているアパートメントの1階に入っているカフェ『Maugham( モーム )』は昼と夜はカフェだけど深夜になるとバーになるらしい。 今は夜なのでまだ夜カフェの時間だ。拓也さんと一緒にモームに入る。...

[6]恋はタイミングを選んでくれない

日付
希美子さんから言われたからってわけじゃないけど部屋に戻るとドレッサーの上にユリから引っ越し祝いとして貰った香水が目に入った。…そう。それはまさに希美子さんの言っていた私が今まで使ったことのないようなタイプの香りなのだ。 でも私はもう恋...

[5]恋は諦めた頃にやってくる

日付
ひとしきりカフェのオーナーさんとお喋りをした後に部屋へと向かう。挨拶周りは昼後くらい行こうと思い部屋で少しだけ休む事にした。 新しい部屋でごろりと横になって少しぼんやりとする。彼と別れた痛みはまだ消えてない。思えば昔から彼氏が出来ると...

[4]失恋と朝とカモミール

日付
朝陽を受けた明るいキッチンでカモミールティーを淹れる。柔らかくて穏やかな香りが湯気に乗ってふわりと部屋に漂って爽やかな気持ちになれた。 彼と一緒に住んでいた部屋は別れた後に解約してしまい、今は一時避難として実家に帰っていた。そうなのだ...

[3]愛なしには生きれない女たち

日付
彼とふたりでいた頃は楽しかった夜もひとりっきりになるとこんなにも辛いものだと思ってなかった。失恋したことを誰にも言えなかった。だってあんなに幸せだったから。知られたくなかった。そして改めて彼と別れてしまったことを認めてしまうのが怖くて...

[2]私を捕らえる彼の瞳

日付
彼の瞳に見つめられると息が止まるような感覚になった。色素の薄い瞳は彼の性格がそのまま現れたような優しさと慈愛に満ちたかがやきを持っていた。その瞳がキラキラとするのはいつもふたりで行った伊豆でサーフィンをしていたが一番だと思う。子どもみ...

[1]もう戻れない恋のこと

日付
もう何時間泣いていたのだろう。時間の感覚なんてとうに消え去ってしまった鈍い頭でぼんやりと考える。起きていると、どうして彼が隣にいないのか訳がわからなくなり涙があふれて力尽きるまで泣き続け、力尽きて眠ると楽しかった時の記憶ばかりが溢れ出...